知的障害のある人と「犯罪」

本日は手をつなぐ育成会の名兒耶さんをゲストとしてきて頂き、知的障害者の犯罪について話を伺いました。知的障害者の犯罪といっても被害者ともなれば、加害者ともなります。新聞などをよく読んでいると、知的障害に関わる犯罪について加害者として、被害者として、その裁判についてなど取り上げられていることがよくあります。
茨城で運動しているものにとっては、とても衝撃的であり、やるせなさが今も残る水戸事件への関わり通して、知的障害者の置かれた犯罪と司法の関係についての問題点を話して下さいました。名兒耶さんは検察、司法の知的障害者への無理解があると指摘していました。
名兒耶さん自身は最近とてもタイムリーに、成年後見人をつけると選挙権がなくなることについて訴訟を提起している真っ最中で、その話もして下さいました。名兒耶さん自身知的に障害がある娘さんが折られるそうで成年後見人を利用しはじめたそうです。成年後見制度では、本人の能力に応じて、後見、保佐、補助が利用できます。そこで審査される能力は、主に財産管理能力だそうです。保佐や補助では選挙権はなくなりませんが、後見人がつくことになると、公職選挙法の規定で選挙権が奪われてしまうのだそうです。権利が奪われてしまう。名兒耶さんは、親として成年後見人を利用し後見人になったことで、本人の権利を剥奪していまったことは国家と共に共謀者になってしまったとおっしゃっていました。そしてこれが娘に対しての三つ目の負い目であり、これ以上はできないということで訴訟を起こすことにしたそうです。三つというのは、一つは就学に関わったときのこと、二つ目は就労に関わったときのこと、そして今回ということだそうです。
知的障害者と犯罪状況としては、とても難しく厳しいものがあると感じました。まずは被害者になったときの司法を含めた支援体制が機能しないことがあります。加害者になったときも同じことが言えるわけですが、加害者になったときはなぜ加害者になってしまったのかということと、そのひとつが知的障害者への無理解があるとおもいます。刑期を終えた後も支援がかなり貧弱だということがあります。
何か実践例がもっとたくさんあるといいのですが、それもまた身近にはないのでほんとに手つかずというか、手探りな現状があるのだと感じました。